第11回公演「満州8・27」

◎かなざわ演劇祭2006参加作品

2006年
9/15・16・24

原作:「8月27日」
=旧満州白山郷開拓団=
(石川県教育文化財団/北國新聞社出版局刊)
監修:重田重守
(石川県教育文化財団理事長)
台本・演出:岡井直道
舞踏指導:白榊ケイ(金沢舞踏館)
照明:宮向隆
音響:吉村健彦
映像:嬉野智裕/山内崇寛
音楽:NEUK/他
美術:谷口綾
映像協力:
北陸朝日放送/山プロ/他

■出演
下條世津子
月原豊
丹野勇
金子隼土
杉本大樹
塚野陽義
本庄亮
岡田桂
中元未玲
澤田春菜

私たちは「8月27日」のことをほとんど知らない・・・

広漠な大地での新生活は、団員の心の中にも荒漠たる風を吹き込んでいた・・・
四季の移ろいが鮮やかで、豊かな山々の自然に恵まれた白山郷の風景とは、
あまりにかけ離れた殺風景な大地の連続、畳のない土間での暮らし・・・
開墾などは日本国内では想像できないほど機械化されたものだった。

ドイツ製の大型トラクターや、日本の小松製作所の元戦車を改造したものを農業機械として使い、
耕作では意外と苦労は少なかった・・・

運命の8月27日、白山郷開拓団は極度の混乱の中”壊滅”した。
母は、二人の幼子を抱えて弱々しく首を横に振った。
桂子が見た母の最期の姿だった。・・・
優位を保っていた戦前とはまるで立場が逆転した難民としての逃避行・・・
戦後60年の歳月を刻んで、どうにか日本へ帰国できた生存者も、数少なくなってしまった・・・


1945年8月、敗戦時――

混乱の中での”死”と”帰還”
今、果たされない”帰還”が、私たちを揺さぶる

戦争は人が人でなくなります。
開拓団が悪いのではない。
いじめた者たちも悪いのではない
・・・悪いのは戦争だ・・・(王庚新 2003没)